生駒山テレビ・FM送信所(いこまさんテレビ・エフエムそうしんじょ)は、大阪府東大阪市と奈良県生駒市にまたがる生駒山に所在するテレビジョン放送と一部のFMラジオ放送の親局送信所および中継局である。民放在阪広域テレビジョン放送や大阪府域局のテレビジョン放送とFM COCOLOの親局、奈良県域局の親局と中継局及び民放在阪広域AMラジオ放送のFM補完中継局が設置されている。
放送区域
NHK大阪・広域圏民放
大阪府の大部分の世帯、京都府の京都盆地、兵庫県の阪神平野・淡路島、奈良県の一部。
大阪府域局(テレビ大阪)
大阪府のほぼ全域と兵庫県・京都府のごく一部。
奈良県域局(NHK奈良総合、奈良テレビ放送)
奈良県の一部と大阪府四條畷市・京都府の一部。
歴史
- 1950年(昭和25年)2月2日 - NHK大阪放送局、総合テレビジョン実験放送を4chで開始。同年3月10日から週1回、3時間のみ。
- 1954年(昭和29年)3月1日 - NHK大阪総合テレビジョン(4ch)、近畿広域圏の親局として正式開局。
- 1956年(昭和31年)
- 9月26日 - 大阪テレビ放送(6ch)の送信所が完成。
- 10月18日 - 大阪テレビ放送、試験電波の発射を開始。
- 10月30日 - 大阪テレビ放送、アナログテレビジョン放送の本免許交付を受け、この日より試験放送を開始。
- 12月1日 - 大阪テレビ放送、西日本初の民放テレビ局として開局(午前9時半)。
- 1958年(昭和33年)
- 7月27日 - 関西テレビ放送(8ch)の送信所が完成し、試験電波の発射を開始。
- 8月3日 - 讀賣テレビ放送(10ch)の送信所が完成し、午後0時17分より試験電波の発射を開始。
- 8月16日 - 讀賣テレビ放送が試験放送を開始。
- 8月28日 - 讀賣テレビ放送が開局(午前9時)。
- 11月22日 - 関西テレビ放送が開局(午後4時半)。
- 11月29日 - NHK大阪総合テレビジョン、米軍がレーダー用として使用していた1chと2chの帯域の返還および民放新局(=毎日放送)への周波数割り当てのため、チャンネル番号を4chから2chに変更。
- 1959年(昭和34年)
- 1月7日 - 毎日放送(4ch)の送信所が完成し、試験電波の発射を開始。
- 3月1日 - 毎日放送が開局。これに伴い、大阪テレビ放送は、コールサインの変更と同時に「朝日放送大阪テレビ」の呼称使用を開始(その後、同年6月1日付けで朝日放送と合併)。
- 4月1日 - NHK大阪教育テレビジョン(12ch)開局。現在に至るまで近畿広域圏の実質親局である。
- 1969年(昭和44年)3月1日 - NHK大阪FM放送本放送開始。当初はテレビ送信所から電波送信。
- 1970年(昭和45年)12月24日 NHK大阪UHFテレビ実験局(14ch)開局(1975年(昭和50年)4月6日廃止)。
- 1971年(昭和46年)
- 4月1日 - NHK大津放送局、ここを親局とする既設の総合テレビ中継局をチャンネル変更した上で親局に転換し、滋賀県内での県域放送開始。以後近畿他府県のNHK放送局も順次総合テレビの府県域親局を開局させ、その結果、NHK大阪総合テレビは大阪府域局扱いとなったものの、スピルオーバー(電波漏れ)対策(減力・送信パターン変更)は実施されなかった(後のデジタル放送化でも同様)。
- 6月1日 - NHKがFM放送を府県域化するにあたり、大阪府外へのスピルオーバーが大きな問題となったことから、当時大阪市内に送信所があったエフエム大阪とともに飯盛山に共同でFM専用の新送信所を設置し、生駒山のNHK-FM送信所は廃止。
- 1978年(昭和53年)3月 - 朝日放送のテレビ送信所を南へ150m移転。
- 1982年(昭和57年)3月1日 - テレビ大阪(19ch)開局。大阪府域の民放テレビ局のため、先述のFMスピルオーバー問題を踏まえ、広域圏各局よりも標高が低い場所に送信所を設置した。
- 1995年(平成7年)10月16日 - 関西インターメディア(現:FM COCOLO)、日本初の外国語民放FM局として開局。約24年ぶりに生駒山にFM送信所が設置された。
- 2003年(平成15年)12月1日 - 広域圏各局及び大阪府域局が地上デジタルテレビジョン放送本放送開始。
- 2006年(平成18年)4月1日 - 奈良県域局、地上デジタルテレビジョン放送本放送開始。
- 2011年(平成23年)7月24日 - すべての地上アナログテレビジョン放送が終了し、60年弱の同放送の歴史に幕を降ろす。
- 2016年(平成28年)3月19日 - 正午より、毎日放送、ラジオ大阪、朝日放送の在阪AM各局がFM補完放送を開始。
- 2018年(平成30年)4月1日 - 朝日放送が持株会社・朝日放送グループホールディングスへの移行に伴い、各放送部門を朝日放送テレビと朝日放送ラジオに分社化し、同時にテレビ放送部門のコールサインを変更。
- 2021年(令和3年)4月1日 - 毎日放送が、ラジオ放送部門をMBSラジオに分社化し、同時にテレビ放送部門のコールサインを変更。
所在地
生駒山は奈良県と大阪府の府県境に位置することもあり、ここに置かれている放送送信所は親局と中継局が複雑に入り混じっている。こうしたケースとしてはほかに福岡県と佐賀県の県境に位置する九千部山の久留米・鳥栖テレビ・FM放送所がある。
- NHK大阪・近畿広域圏民放各社:大阪府東大阪市山手町2028又は奈良県生駒市鬼取町662-1
- NHK・KTV・MBS&OBC(FM補完中継局)が東大阪市側に、ABC(テレビ・FM補完中継局とも)・ytv&MBS(テレビ)が生駒市側にある。
- TVO:大阪府東大阪市山手町2031-4
- 生駒奈良北中継局:奈良県生駒市菜畑町2312-177(生駒ケーブル霞ヶ丘駅南方)
- TVNデジタル:奈良県生駒市菜畑町2312-70(生駒ケーブル霞ヶ丘駅南方)
- NHK東大阪石切中継局:大阪府東大阪市上石切町2丁目(くさか園地)
- FM COCOLO:大阪府東大阪市上石切町2丁目1451-23
地上デジタルテレビジョン放送送信設備
備考
- NHK大阪は総合と教育の送信設備を共用。MBSはデジタルに限りytvの送信設備を共用(生駒山親局では唯一他局との相乗りである。
- NHK奈良総合の親局は斑鳩町と大和郡山市にまたがる松尾山の松尾山テレビ・FM送信所にあるが、デジタル化に伴い、NHK奈良総合以外は生駒山からの電波を直接受信する方針に転換され、送信所が集約された。
- 朝日放送テレビは放送持株会社移行に伴うテレビ・ラジオ分社化に際しコールサインをJONR-DTVから変更した。
- 毎日放送はラジオ分社化に際しコールサインをJOOR-DTVから変更した。
地上アナログテレビジョン放送送信設備
備考
- 近畿地方でVHF放送電波を送信していたのはこの生駒山だけであり、他の近畿地方のアナログテレビ中継局はすべてUHFチャンネルであった。
- NHK東大阪石切中継局は、生駒山の山裾にあたり、親局の受信が困難な東大阪市の一部を対象とする難視聴対策用中継局であった。
- NHK奈良総合とTVNのアナログ親局は、斑鳩町と大和郡山市にまたがる松尾山にあり、現在松尾山にデジタル送信所を構えているのはNHK奈良総合のみである。
- 朝日放送(現:朝日放送テレビ)は1959年に大阪テレビ放送を合併した際に、コールサインをJOBX-TVから変更している。
FMラジオ放送送信設備
地上デジタルラジオ放送送信設備
- 2010年(平成22年)6月の廃止まで「実用化試験局」であった。
マルチメディア放送送信設備
ジャパン・モバイルキャスティングを基幹会社としたV-High帯マルチメディア放送モバキャス及びそれを使用したmmbiのNOTTVが2012年4月1日に、VIPを基幹会社としたV-Low帯マルチメディア放送i-dioが2016年3月1日に、それぞれ放送を開始している。
2015年11月、NOTTVは2016年6月30日にサービスを終了した。
脚注
外部リンク
- 総務省・大阪局のエリア


