松井 彰彦(まつい あきひこ、1962年 - )は、日本の経済学者。Econometric Society・フェロー。専門は、ゲーム理論とそれを応用した社会的障害の分析。東京大学教授。2007年日本経済学会中原賞受賞。
伯父に囲碁棋士の藤沢秀行。
来歴
1962年東京都生まれ。開成高等学校卒業後、東京大学理科一類に進学した。東京大学入学当初は「天文気象好きの物理少年」であったが、教養学部時代に環境問題から人間関係に関心を持つようになり、進学振り分けで理科一類から経済学部に転じた。
東京大学経済学部では奥野正寛ゼミナールに在籍し、卒業時には最優秀の卒業論文に与えられる大内兵衛賞を受賞した。その後米国 ノースウェスタン大学J.L.ケロッグビジネススクールに留学し、1990年には同校M.E.D.S.博士課程を修了した。指導教官はイツァーク・ギルボア。
Ph.D.取得後は、ペンシルベニア大学経済学部助教授 、筑波大学社会工学系准教授、東京大学大学院経済学研究科助教授を経て、2002年5月より東京大学大学院経済学研究科教授。2008年にはEconometric Society・Fellowに選出された。
著作
単著
- 『慣習と規範の経済学――ゲーム理論からのメッセージ』(東洋経済新報社, 2002年)
- 『市場の中の女の子――市場の経済学・文化の経済学』(PHP研究所, 2004年)
- 『向こう岸の市場』(勁草書房, 2007年)
- 『高校生からのゲーム理論』(筑摩書房, 2010年)
- 『不自由な経済』(日本経済新聞出版社, 2011年)
- 『市場って何だろう――自立と依存の経済学』(筑摩書房, 2018年)
共著
- (蓮實重彦・新誠一・稲葉雅幸・柳川範之・藪内稔・大勝孝司・平野裕一・森本幾夫・田辺国昭・池上高志)『ゲーム――駆け引きの世界』(東京大学出版会, 1999年)
- (梶井厚志)『ミクロ経済学――戦略的アプローチ』(日本評論社, 2000年)
- (清水武治)『ゲーム理論』(三笠書房, 2003年)
- (川島聡・長瀬修)『障害を問い直す』(東洋経済新報社, 2011年)
訳書
- イツァーク・ギルボア, デビッド・シュマイドラー『決め方の科学――事例ベース意思決定理論』(勁草書房, 2005年)
- イツァーク・ギルボア『合理的選択』(みすず書房, 2013年)
- アリエル・ルービンシュタイン『ルービンシュタイン ゲーム理論の力』(東洋経済新報社, 2016年)
受賞
- 2002年 日経・経済図書文化賞 (著書『慣習と規範の経済学』に対して)
- 2006年3月 日本学術振興会賞及び日本学士院学術奨励賞
- 2007年日本経済学会 中原賞
注釈
出典・外部リンク
引用文献
- ギルボア 著、松井彰彦 訳『合理的選択』みすず書房、2013年。ISBN 9784622077336。



