笠石神社(かさいしじんじゃ)は、栃木県大田原市の神社。
歴史
1692年(元禄5年)に創建された。
1676年(延宝4年)、僧侶の円順により那須国造碑が発見された。1683年(天和3年)、水戸藩第2代藩主徳川光圀が当地を訪れ、この碑の存在を知った。光圀は碑の重要性を認識し覆堂を建てて保護しようとした。ただ碑の所在地は当時水戸藩領ではなかった。そのため関係当局と折衝を続け、1687年(貞享4年)にようやく覆堂を建てて整備した。これが当社の起源であり、神体は那須国造碑そのものである。
近くには上侍塚古墳と下侍塚古墳があることから、光圀は両古墳の被葬者を碑文にある「那須直韋提」「意斯麻呂」父子と推測、日本初の学術的発掘調査が行われた。責任者は佐々宗淳である。発掘前に「被葬者の眠りを妨げることを謝する」意味で丁重な儀式を執り行い、出土品は全て図面に記録・作成後、元通りに埋め戻し、松を植えて墳墓の崩壊を防ぐなど、当時としては最大限の配慮がなされている。
文化財
- 那須国造碑(国宝 昭和27年11月22日指定)
交通アクセス
- 矢板ICより車28分。
脚注
参考文献
- 稲葉博 著『関東古社名刹の旅2(群馬・栃木・茨城編)』読売新聞社、1987年




