鳴弦の儀(めいげんのぎ)は、弓を使用した日本の儀礼のひとつ。弦打の儀(つるうちのぎ)とも呼ばれる。
概要
弓に矢をつがえずに弦を引き、音を鳴らすことにより気を祓う魔除けの儀礼。魔気・邪気を祓うことを目的とする。後世には高い音の出る鏑矢を用いて射る儀礼に発展した。鏑矢を用いた儀礼は蟇目の儀(ひきめのぎ)と呼ばれる。
起源
鳴弦の儀が始まったのは平安時代と言われる。元々は誕生儀礼として始まり、次第に夜間の警鐘及び滝口武者の名対面の時、天皇の日常の入浴時(蔵人が担当する)、主の病気祓い、不吉な出来事が起こった際など幅広く行われるようになった。
脚注
参考文献
- 安食天恵『神ノ国現レマセリ-古神道による日本復活』たま出版、2002年。ISBN 978-4812700594。
- 川村裕子『王朝生活の基礎知識 古典のなかの女性たち』KADOKAWA / 角川学芸出版〈角川選書〉、2005年。ISBN 978-4047033726。
関連項目
- 源氏物語 - 夕顔の死に際して光源氏が鳴弦の儀を命じる場面が登場する。
- 読書鳴弦の儀 - 皇子・皇女誕生後の御湯殿の儀式で、漢籍等を読む読書の儀とともに鳴弦を行う儀式。現在の皇室でも行われている。
- 鎌倉殿の13人(NHK大河ドラマ)- 源頼朝の長男万寿(のちの源頼家)の誕生に際して、上総広常が鳴弦の儀を行う場面が描かれた。
- 北条時宗 (NHK大河ドラマ) - 鎌倉幕府の要人が相次いで死亡したため、将軍以下大勢で弓弦を鳴らして歩くという場面が描かれた。
- 新九郎、奔る! - 伊勢新九郎の長男氏綱の誕生に際して、大道寺重時が鳴弦の儀を行う場面が描かれた。
- 寄絃




