アゼリ (Azeri) とは、アメリカ合衆国生産の競走馬、繁殖牝馬。主な勝ち鞍にブリーダーズカップ・ディスタフ(2002年)、アップルブロッサムハンデキャップ(2002、2003、2004年)、ミラディブリーダーズカップハンデキャップ(2002、2003年)、ヴァニティハンデキャップ(2002、2003年)、サンタマルガリータインビテーショナルハンデキャップ(2002年)、ゴーフォーワンドハンデキャップ(2004年)、スピンスターステークス(2004年)など。
シガーなどの馬主として知られるアラン・ポールソンが自ら生産し、3歳秋の遅いデビューながらも4歳時から6歳時までG1競走を11勝積み重ね、エクリプス賞には2002年の年度代表馬、2002年から2004年の最優秀古牝馬に選出。2010年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たした。ポールソンは活躍を見ずに他界したが、ポールソンの「晩年の大傑作」とも呼ばれている。
略歴
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1998年5月6日、アラン・ポールソンがケンタッキー州ベルサイユに所有する、ブルックサイド・ファームで生まれる。航空チェックポイントからよく馬名を命名していたポールソンは、アゼルバイジャン共和国のバクーにある航空チェックポイントの名称を生まれた仔馬に与えた。1歳となった1999年のキーンランド・セプテンバー1歳馬セールに出品され、ポールソンが11万ドルで買い戻した。翌2000年7月にポールソンは他界し、息子のマイケル・ポールソンが事実上のオーナーとして所有することとなった。
ローラ・デ・セルー厩舎に入るがデビューは遅れ、3歳時の2001年11月にサンタアニタ競馬場でのメイドン競走でデビューし、低評価を覆して2着に6馬身差をつけて1着となる。続くアローワンス競走、4歳初戦のオプショナルクレーミング競走をも勝って3連勝とし、重賞初出走となるG2競走ラカナダステークスはサマーコロニーの2着に終わるが、続くサンタマルガリータインビテーショナルハンデキャップで2000年のブリーダーズカップ・ディスタフ優勝馬スペインを破り、初重賞制覇をG1競走で飾る。ここから連勝が始まり、アップルブロッサムハンデキャップ、ミラディブリーダーズカップハンデキャップ、ヴァニティハンデキャップとG1競走を4連勝し、G2競走クレメント・L・ハーシュハンデキャップとレディーズシークレットハンデキャップも制覇して6連勝で臨んだブリーダーズカップ・ディスタフでも逃げ切って優勝。1983年オールアロング、1986年レディーズシークレット以来のエクリプス賞年度代表馬に選出された。
2003年はアップルブロッサムハンデキャップから始動して連覇を達成し、前年と同じローテーションで勝ち進んでいたが、9月のレディーズシークレットハンデキャップで繰り上がりによる2着に終わったうえ、レース後に屈腱炎を発症して一時は引退が発表された。しかし、マイケル・ポールソンら馬主サイドが幾人かの獣医に意見を求めて現役続行を模索し、回復の見込みがあると判断されたためウェイン・ルーカス厩舎に移籍の上、現役を続行することになった。療養ののち2004年4月のアップルブロッサムハンデキャップで復帰して3連覇を達成。2003年とは違って4歳初戦以来の短距離戦や牡馬との対戦が主となったため、7ハロン戦のヒューマナディスタフハンデキャップは2着、メトロポリタンハンデキャップ8着、オグデンフィップスハンデキャップ4着と勝てない競馬が3戦続いたが、8月のゴーフォーワンドハンデキャップで新しくG1競走タイトルを奪取し、パーソナルエンスンハンデキャップ2着を経て出走のスピンスターステークスでG1競走11勝目を挙げた。その後、牝馬3頭目の出走となったブリーダーズカップクラシックはゴーストザッパーの5着に終わり、12月に引退した。獲得賞金407万9820ドルはゼニヤッタに抜かれるまで北米牝馬新記録であった。
競走成績
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引退後
引退後はケンタッキー州に戻り繁殖牝馬となった。アメリカで3頭の出産ののち、2009年11月10日に、ノーザンファームの代表者である吉田勝己によって落札され、以降は日本で繁殖生活を送る。2009年産のワインプリンセス(Wine Princess)が重賞ウイナーとなっている。2013年産のロイカバードは同年のセレクトセールで寺田寿男に2億5200万円で落札され、近似額で落札されたサトノダイヤモンドとの対戦が「5億円対決」として一時話題となり、引退後は種牡馬となったが、間もなく乗馬に転じてノーザンホースパークで繋養されている。 2020年に繁殖牝馬を引退し、リードホースとして引き続きノーザンファームで繋養される。
3連覇を果たしたアップルブロッサムハンデキャップを施行するオークローンパーク競馬場では、重賞オークローンブリーダーズカップハンデキャップを2005年からアゼリブリーダーズカップハンデキャップに改名して施行。2010年にアメリカ競馬殿堂入りを果たした。
産駒一覧
- 2024年10月11日現在
血統表
脚注
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post




